「スーパーウォール工法とは？」
「スーパーウォール工法のメリット・デメリットは？」
新築住宅を検討している方の中には、デザインや価格にくわえて、どんな構造で建てるのかを気にしている方もいることでしょう。
様々ある住宅工法の中で、耐震性や断熱性・気密性に優れているのが『スーパーウォール工法』です。
安全性と快適性を併せ持つスーパーウォール工法に、興味を抱いている方もいるはず。しかし、大まかなことしか理解できておらず、具体的にどんな住宅となるのかイメージできない方もいることでしょう。
そこで今回は、スーパーウォール工法のデメリットから建てるためのポイントを解説します。スーパーウォール工法を検討している方は、参考にしてください。
また、以下の記事では当メディアが厳選する高性能にこだわる住宅会社を紹介しておりますので、気になる方は参考にしてみるといいでしょう。
スーパーウォール工法とは
スーパーウォール工法は耐震性能を持つパネルを貼り付け、住まいの壁全体を使って『面』で支えるモノコック構造です。一般的な木造軸組工法では、柱の間に『筋交い』と呼ばれる突っ張り棒を入れて耐震性を確保していました。
また、断熱材はグラスウールの吹き付けを行なうところが多く、職人によって断熱性・気密性の良し悪しが大きく左右されてしまいます。一方、スーパーウォール工法では工場で生産されたパネルを壁に埋め込むことで品質のばらつきが少なく、高断熱・高気密を確保しやすいのが特徴です。
スーパーウォール工法の仕組み
スーパーウォール工法は、以下のような素材やシステムによって構成されています。
それぞれの仕組みについて見ていきましょう。
硬質ウレタンフォーム
スーパーウォール工法で使用される硬質ウレタンフォームは、高い断熱性能を持つ素材です。硬質ウレタンフォームは壁や屋根に使われ、外気温の影響を最小限に抑える効果があります。
通常の断熱材と比べて熱伝導率が低いため、冬は暖かさを保ち、夏は涼しさを維持する役割を果たします。結果的にエネルギー効率が向上し、冷暖房のコスト削減が期待できる点がメリットです。
また、硬質ウレタンフォームは軽量で施工性に優れ、隙間なく密着するため、結露や湿気による劣化を防ぐ効果もあります。こうした効果が期待できる点から、硬質ウレタンフォームはスーパーウォール工法において欠かせない要素です。
計画換気システム
計画換気システムとは、高気密・高断熱の住宅環境において、効率的な空気の入れ替えを実現するための換気システムです。
計画換気システムでは、外部の新鮮な空気を取り込み、室内の空気を排出することで交換します。これにより、常に快適で健康的な室内環境を維持することが可能です。エネルギー効率を高めながら住宅全体の温度ムラを減らし、室内の空気品質を保つ役割を果たします。
スーパーウォール工法では計画換気システムを採用するのが一般的で、快適な住環境を維持するための基盤と言えるでしょう。
モノコック構造
スーパーウォール工法におけるモノコック構造は、建物の外壁が構造体として機能する一体型のシステムです。
モノコック構造では壁が荷重を支えるため、建物全体の強度が向上します。そのため、モノコック構造は耐震性にも優れており、地震時の揺れを効果的に吸収する特性を持つのが特徴です。
しかし、この構造は設計時の柔軟性が低く、後からの改修が難しい点や、初期コストが高くなるといったデメリットも存在します。とはいえスーパーウォール工法では、モノコック構造の住宅を目指して設計されます。
スーパーウォール工法のデメリット
ここからはスーパーウォール工法の下記のデメリットを解説します。
それぞれみていきましょう。
間取りやデザインに制約がある
スーパーウォール工法は、構造上どうしても間取りやデザインに制約がかかってしまいます。壁全体で建物を支えている以上、壁に穴をあけると支える力が低下してしまうため、耐力壁をくり抜いて窓を設置することができません。
また、将来的にリフォームする際も、自由に間取りの変更ができないでしょう。間取りを変更する場合は、住まい全体の耐震構造をもう一度見直す必要があるため、時間と手間がかかってしまいます。
そのため、スーパーウォール工法を採用する際は、ライフスタイルの変化もしっかり見据えたうえで間取りを決めるといいでしょう。
エアコンやコンセントの増設がしづらい
スーパーウォール工法の壁には断熱材が詰まっているため、エアコンやコンセントの増設がしづらいです。例えばコンセントを増設したくなった場合は、壁の中に配線を通すのが難しいです。
また、エアコンを部屋に増設する際は壁に穴を開ける必要があるため、気密性が失われてしまうリスクもあります。上記のことから、エアコンやコンセントを後から増設するのは不可能ではありませんが、通常の作業より難しくなるでしょう。
費用が高くなりやすい
スーパーウォール工法を採用した家を建てるには、一般的な住宅と比べて費用が高くなりやすいです。
スーパーウォール工法を実現するには、高機能な設備や素材が必要となるため、どうしても施工費用が高くなってしまうからです。しかし、商品が規格化されているため、その分の人件費が安くなるといった特徴もあります。
また、スーパーウォール工法は光熱費の削減にも繋がるため、将来的にはコストの回収が可能です。そのため、スーパーウォール工法を検討する際は、短期的ではなく長期的に考えたほうがいいでしょう。
定期的な点検やメンテナンスが必要
スーパーウォール工法のデメリットとして、定期的な点検やメンテナンスが必要である点が挙げられます。
高い断熱性能と気密性を実現するこの工法は、建物内部の環境が密閉されるため、換気や湿度管理が重要です。そのため、定期的な点検や外壁や接合部の劣化チェックが欠かせません。
これらのメンテナンスを怠ると、結露やカビの発生、構造体の劣化につながるリスクがあります。
スーパーウォール工法のメリット
ここからは反対にスーパーウォール工法のメリットを解説します。
スーパーウォール工法を導入する際の参考にしてください。
室温を一定に保つ
スーパーウォール工法には、室温を一定に保つ効果があります。
断熱性能を持つパネルで住まいの壁全体が覆われているため、気密性が高くすき間から冷気や熱気が侵入せず、魔法瓶のような構造をしているからです。
そのため、夏の暑さや冬の寒さの影響を受けにくく、エアコンの効果を最大限に活かせるでしょう。また、エアコンの効率が良いため、結果的に使用率を軽減でき、光熱費の削減にもつながります。
上記のことから、スーパーウォール工法は一年中快適な室内環境を実現しつつ、お財布にも優しい工法と言えます。
地震や台風に強い
スーパーウォール工法は柱にパネルを固定して建物を支えるモノコック構造を採用しているため、地震や台風などの外力に強いです。もともと航空機や自動車ボディに使われている技術となっており、大きな外力にも変形しにくい特徴を持ちます。
揺れを建物全体で分散して支えるため、外力が接合部などに集中しにくく、ヒビやひずみへの耐久性も高いです。スーパーウォール工法は、あらゆる災害から住む人の安全を守ってくれるでしょう。
遮音性が高い
スーパーウォール工法はすき間の少ない高気密仕様のため、優れた遮音性を発揮します。
音の侵入は主に建物の隙間から出入りするため、高気密に施工され、高断熱サッシによって部屋の隙間を限りなく小さくすることで遮音性が向上します。
そのため、周辺道路の環境音や隣の部屋からの音漏れが少なく、快適に過ごせるでしょう。また、自分たちの生活音も外へ漏れるのを防いでくれるため、音漏れを気にせずに暮らせます。
スーパーウォール工法でなら幹線道路から近い土地や、家族の生活時間帯が異なる家庭でも問題無く暮らせるでしょう。
健康的に暮らせる
スーパーウォール工法は、家族が健康的に暮らせる住宅を実現可能です。家族や住まいの健康を害する、カビ・ダニの発生は空気のよどみが原因のひとつと言われています。
スーパーウォール工法では気密性を高め隙間を少なくすることで、外気とともに出入りするホコリや花粉などを大幅にカットします。また、計画換気システムの採用により、空気のよどみが少なくなり、カビ・ダニの繁殖を抑えることが可能です。
上記のことから、スーパーウォール工法はアレルギーの原因となるカビ・ダニ・花粉の発生を防ぎ、健康的な住宅を実現してくれます。
スーパーウォール工法は換気システムが必須
スーパーウォール工法には、換気システムの導入が必須となります。高気密な住宅では、空気の循環が自然に起こらないため、換気システムを導入して空気の入れ替えを促す必要があります。
換気システムを導入することで、住まいの隅々にゆるやかな空気が流れ、空気のよどみが少なくなるでしょう。気密性が低い住宅では、窓や壁の隙間から外気が侵入して空気の流れにムラができ、住まい全体の空気を隅々まで入れ替えることは難しいです。
一方、スーパーウォール工法の家では高い気密性によって住まい全体の計画的な換気が行え、清浄な空気を24時間維持できます。上記のことから、スーパーウォール工法では家族の健康のためにも、換気システムの導入が必須です。
スーパーウォール工法で家を建てるためのポイント
スーパーウォール工法を採用して家を建てる際は、以下のようなポイントを押さえておくのが大切です。
それぞれのポイントについて見ていきましょう。
優良の施工会社に依頼する
スーパーウォール工法で家を建てる上で、優良な施工会社に依頼することが重要になります。施工会社の技術力や提案力がないと、スーパーウォール工法が持つ断熱効果を十分に発揮されず、結露や気密性の低下といった問題が発生する可能性があります。
そのため、施工実績が豊富でスーパーウォール工法を得意とする業者を選ぶことが重要です。信頼できる施工会社は、使用する資材の品質や施工後のアフターメンテナンスにも力を入れているため、長期的に安心して住める家を提供してくれます。
また、施工前の打ち合わせやプランニングでも的確なアドバイスを得られるため、満足度の高い住まい作りが可能になります。
具体的な間取りをイメージしておく
スーパーウォール工法で家を建てる際に具体的な間取りをイメージしておくと、高品質な住まいを建てることが可能です。
スーパーウォール工法には、間取りの自由度が低いというデメリットがあります。例えばリビングや寝室の配置、窓の位置、収納スペースの確保などについては、後から変更するのが難しいでしょう。
そのため、家族のライフスタイルに合わせた間取りを事前にイメージしておくことが必要です。「こんな間取りにしたい」というイメージがあれば、理想的な間取りと品質を確保できるでしょう。
計画的に資金を準備する
スーパーウォール工法では、計画的な資金準備がポイントとなります。スーパーウォール工法は高い断熱性や耐震性を備えている一方で、高額な初期投資が必要です。通常の工法と比較して建築費用が高くなる傾向があるため、予算計画をしっかり立てることが求められます。
また、長期的な維持管理費用も視野に入れ、定期的なメンテナンスや点検に必要なコストを考慮しておくことも大切です。トータルコストを見積もることが、資金計画を成功させるポイントとなります。
スーパーウォール工法にするなら大創建設がおすすめ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 大創建設株式会社 |
| 住所 | 東京都三鷹市上連雀7-32-32 |
| TEL | 0422-41-5991 |
| ホームページ | https://www.daiso1966.jp/ |
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大創建設の施工事例
こちらの二階建て木造住宅は、スーパーウォール工法が採用されています。断熱性能が向上したことで室内間の温度差がなくなり、夏と冬でも快適に過ごせるようになりました。
スーパーウォール工法のモノコック構造によって、地震や台風にも強い構造となっています。
大創建設株式会社の口コミや評判、特徴に関して、以下の記事で詳しく解説しています。同社について詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
まとめ
今回は、スーパーウォール工法のメリット・デメリットを解説しました。スーパーウォール工法は耐震性能を持つパネルを貼り付け、住まいの壁全体を使って『面』で支えるモノコック構造です。
断熱性能を持つパネルで住まいの壁全体がおおわれているため、耐震性に加えて高い断熱・気密性能を有しています。そのため、スーパーウォール工法の家では一年中快適な室内環境を実現しつつ、あらゆる災害から家族を守ってくれるでしょう。
一方、スーパーウォール工法には間取りやデザインに制約がかかったり、費用が高くなったりするデメリットもあります。そのため、スーパーウォール工法を採用する際は、メリットとデメリットの両方を加味しながら、総合的に検討してください。
