注文住宅を建てる上で重要なのが工法。中でも、スーパーウォール工法とツーバイフォー工法について知りたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
どちらも断熱性能や気密性などに優れた工法です。しかし、それぞれの工法のデメリットを知らないと、後に後悔する可能性が。
そこでこの記事では、スーパーウォール工法とツーバイフォー工法の違いや基礎知識、それぞれのメリット・デメリットを解説します。注文住宅で失敗しないためにも、この記事をチェックしてみてください。
スーパーウォール工法とツーバイフォー工法の基礎知識
スーパーウォール工法とツーバイフォーについて知っておくことは、注文住宅を建てる上で重要です。それぞれの基礎知識を深めておきましょう。
スーパーウォール工法とは?
スーパーウォール工法は、建材メーカーであるリクシルが開発した、高気密と高断熱に優れた住宅建築工法です。木造軸組工法に高気密と高断熱、高耐震構造に備えたスーパーウォールパネルを取り付け、快適な室内環境を実現します。
耐震性や耐火性にも優れており、安心して暮らすことが可能です。
ツーバイフォー工法とは?
ツーバイフォー工法は面構造です。床や壁などの面で建物を支えます。建築基準法上では、枠組壁工法とも呼ばれています。
サイズ2インチ×4インチの木材と合板を接合して壁や床、天井、屋根を構成し、箱型の空間を作るのが特徴です。高度な技術を必要とせず、強度や断熱性、気密性の高い家を実現できます。
スーパーウォール工法とツーバイフォー工法の違い
スーパーウォール工法とツーバイフォー工法の違いは、日本古来の在来工法を基にした建築方法か北米由来の建築方法かです。
スーパーウォール工法は、日本に昔からある在来工法に断熱性と耐震性を備えたスーパーウォールパネルを取り付けて組み立てます。一方、ツーバイフォー工法は在来工法のように柱や梁を使わずに、面のパネルのみで組み立てます。
柱や梁を使うか使わないかも大きな違いとして挙げられるでしょう。
スーパーウォール工法のメリット・デメリット
ここでは、スーパーウォール工法のメリット・デメリットを解説します。メリット・デメリットを把握して、注文住宅を建てる際に使用する工法に役立ててみてください。
スーパーウォール工法のメリット
スーパーウォール工法のメリットは、主に以下5つが挙げられます。
- 厚さと寒さに強い
- ヒートショックを防止できる
- 地震や台風などの災害に強い
- 品質が安定している
- 音漏れがしにくい
断熱性能と気密性に優れているスーパーウォール工法は、外の冷気や熱気が入って来られないため、室温を一定に保ちます。ヒートショック現象の防止にも最適です。省エネ効果にも期待でき、光熱費を削減できるでしょう。
また、地震や台風などの災害に強いスーパーウォール工法。もともとは飛行機や自動車に使用されている技術であり、地震や風による揺れを建物全体で分散させます。
一軒ごとに工場でオーダーメイドしたパネルを現場に搬入するため、品質のバラツキがないのもメリットです。
スーパーウォール工法のデメリット
スーパーウォール工法のデメリットは以下3つが挙げられます。
- 間取りやデザインが制限される可能性がある
- エアコンやコンセントの増設が難しい
- 初期費用が高くなりやすい
スーパーウォール工法は耐力壁に穴を開けることができません。穴が開くと耐震性や気密性などが劣ってしまいます。したがって、耐力壁をくり抜いて窓の設置ができません。理想の窓の数にできない可能性が高いでしょう。
また、穴が開けられないため、エアコンやコンセントの増設が難しいです。注文住宅の計画段階でエアコンとコンセントの穴をすべて決めておく必要があります。
何よりスーパーウォール工法は、初期費用が一般的な家より高くなる可能性が高いです。費用面を考慮する必要があります。ただし、スーパーウォール工法は高性能住宅に該当するため、資産価値が下がりにくいです。
ツーバイフォー工法のメリット・デメリット
続いて、ツーバイフォー工法のメリット・デメリットについて解説します。メリット・デメリットのそれぞれを把握し、注文住宅の選ぶ工法に活かしください。
ツーバイフォー工法のメリット
ツーバイフォー工法のメリットは以下4つが挙げられます。
- 災害に強い
- 気密性や断熱性に優れている
- 工期が短い
- 品質が安定しやすい
面構造のツーバイフォー工法は、それぞれの面が耐力壁の役割を果たします。したがって、地震や台風などの災害に強いです。
また、ツーバイフォー工法は面と面をつなぎ合わせるため、在来工法よりも隙間が生まれにくくなります。気密性や断熱性、耐火性にも優れるのも大きなメリットです。
さらに、システム化され高度な技術を必要としない工法であることから、作業量が多くありません。短い工期で安定した品質の家を建てることが可能です。
ツーバイフォー工法のデメリット
ツーバイフォー工法のデメリットは以下3つです。
- 間取りに制限がかかる
- リフォームが難しい
- 大きな窓を設置できない
面で作った箱を基に組み立て行くため、間取りに制限がかかります。在来工法と比べて、間取りの自由度が低いです。
壁を抜いて部屋をつなげるなどのリフォームが基本的にはできません。壁を抜くとツーバイフォー工法のメリットが失われます。
また、壁を抜けないことから大きな開口部を設けられません。大きな窓や吹き抜けはの設置は難しいです。間取りの自由度や大きな開口部を希望する場合は、在来工法の方が良いでしょう。
スーパーウォール工法とツーバイフォー工法のどちらがおすすめ?
スーパーウォール工法とツーバイフォーどちらが最適かを以下3つの内容で解説します。
それぞれを参考にして、工法選びに活かしてみてださい。
家族構成やライフスタイルによるおすすめ
2世帯などでお年寄りの方がいる場合は、ヒートショック現象を防げるスーパーウォール工法が最適でしょう。大人数で暮らしていても省エネ効果が期待できるため、光熱費も抑えられます。
また、将来的に壁をくり抜いて子ども部屋と別の部屋をつなげる計画をする場合は、スーパーウォール工法を選びましょう。なぜなら、ツーバイフォー工法は壁をくり抜くことができないためです。
予算によるおすすめ
初期費用を抑えたい場合は、ツーバイフォー工法が最適です。作業量を削減できるツーバイフォー工法は、建築費が安くなる傾向にあります。
一方、スーパーウォール工法は工場で家に合わせてパネルを制作するため、初期費用が高くなりやすいです。予算を抑えたい場合はツーバイフォー工法を、予算に余裕がある場合はスーパーウォール工法を検討するといいでしょう。
地域の気候によるおすすめ
スーパーウォール工法とツーバイフォー工法どちらも断熱性能や気密性、耐風性に優れています。暑い地域や寒い地域どちらにも対応できます。風が強い地域にも対応可能です。
したがって、気候によって最適なのはどっちとは言えません。気候ではなく他の面でどちらの工法が最適かを検討するといいでしょう。
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まとめ
本記事では、スーパーウォール工法とツーバイフォー工法の違いや基礎知識、それぞれのメリット・デメリットを解説しました。
スーパーウォール工法とツーバイフォー工法は、日本古来の工法か北米の工法で異なります。柱や梁を使用するかも大きな違いです。それぞれの工法のメリット・デメリットを把握した上で、どちらが最適かを決めるべきでしょう。
この記事を参考にして、注文住宅の工法を選んでみてください。