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住宅工法を徹底比較!11種類の住宅工法をメリット・デメリットで解説

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「住宅工法が多すぎてどれがいいかわからない…」
「自分にあった建て方を見つけたい!」

と、あなたは思っていませんか?

住宅工法は昔からある木造軸組工法(在来工法)から新しい工法まで数多く存在します。

一つひとつ個別で調べていたら時間が足りません。

この記事では11種類の住宅工法のメリット・デメリットをまとめて解説していきます。最後には表で一覧にしているので全体の比較もできます。

注文住宅を建てようと検討されている方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください!住宅工法へのこだわりの強い会社は以下のページを参考にして下さい。

目次

【徹底比較】住宅工法11選

次の11種類の住宅工法を紹介します。

  • 木造軸組(在来工法)
  • ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)
  • 木造ラーメン工法
  • 木造軸組パネル工法
  • 鉄骨軸組工法
  • 鉄骨ユニット工法(ラーメン構造)
  • 鉄筋コンクリート造(RC工法)
  • SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート構造)
  • プレハブ工法(軽量鉄骨造)
  • SE工法
  • スーパーウォール工法

それぞれメリット・デメリットと合わせて解説していきます。

木造軸組(在来工法)

木造軸組工法は在来工法ともいい、昔から日本にある工法の一つ。法隆寺の五重の塔やお寺や神社などでも多く採用されています。

柱や梁といった構造材で骨組みを作り、筋交いという斜め材で補強し型を作っていきます。近年では、連結部分に金具を使用し、耐震性を強化することも増えています。

今でも、日本全体の6割が木造住宅といわれており人気が絶えません。

木造にはもう一つ、ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)もありますが、木造軸組(在来工法)の次の項目で解説しています。

メリット

木造軸組工法の主なメリットは、

  • 設計の自由度が高い
  • いろいろな土地の形状に合わせやすい
  • 建築コストが安い
  • 取り扱いができる建築業者が多い

の4点です。

構造上重要となる柱の位置を決めてしまえば、あとは自由に間取りがとれます。

建築する際にも自由度が高いことはメリットになりますし、将来的にリフォームして間取り変更をしたいときにも変更がしやすいです。

また、昔からある住宅工法なので取り扱いができる建築業者が多く、業者選びに困らないといった点や、他の工法と比較すると建築コストが安いためなどのメリットがあります。

間取りにこだわりたい方や、コストを抑えたい方におすすめです。

デメリット

木造軸組工法の主なデメリットは、以下の3つです。

  • 完成度が職人の腕に左右されやすい
  • 工期が長い
  • 耐久性が低い

木材を現場で組み立てていく仕組みなので、職人の経験やスキルによって完成度が変わります。信頼できる建築業者に依頼できるかどうかがカギになるでしょう。

また、システム化された工法ではないため、他の住宅工法と比較すると工期が長くなってしまいます。

耐久性に関しては、木材のため湿度に弱い傾向にあります。湿気が多く結露が起きやすいような環境ではカビが発生し、腐食する原因になってしまいます。

シロアリ被害などにも注意が必要なため、定期的なメンテナンスは必須でしょう。

木造軸組構法は以下の記事で詳細を解説しているので、参考にしてください。

ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)

ツーバイフォー工法は、木造建築の工法の一つで、『2インチ×4インチ』の角材を使用することからこのような名前が付いています。

1インチ=約2.54cmなので、2X4(ツーバイフォー)は、縦5.08cm、横10.16cmのサイズになります。

この均一のサイズになった角材と合板を接合し、柱や梁の代わりに床・壁・屋根・天井を構成していきます。既製の角材に合板を合わせて組み上げていくので、高度な技術は必要ありません。

元々は、北米から日本に輸入された工法で耐震性や耐火性に優れています。木造軸組工法のように柱と梁ではなく、壁で支える構造なのがツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)の特徴です。

メリット

ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)の主なメリットは、以下の4つです。

  • 耐震性が高い
  • 耐火性がある
  • 断熱性能が高い
  • 完成度が安定している

在来工法のように線ではなく、面で支えるツーバイフォー工法は、耐震性が高いことが大きなメリットになります。また、箱型故に気密性・断熱性能も高いといえます。

さらに、壁式工法のメリットとして、システム化されたものを現場で組み立てるだけなので、職人の経験やスキルによって完成度がブレることがないところもうれしいポイントです。

デメリット

ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)の主なデメリットは、

  • 間取りの自由度が低い
  • 取り扱いができる建築業者が少ない

などがあります。

壁で建築物を支えるため、自由に開口部を設けられない場合があり、自由に間取りを決められません。

また、日本では歴史が浅いため、まだまだ建築できる業者は多くありません。リフォームする際にも、取り扱いが難しいために費用が高額になるため、将来的に住まいの形を変えていきたい方には向いていないかもしれません。

木造ラーメン工法

ラーメン工法とは、鉄骨を溶接で一体化させて枠を形成して組み立てていく工法です。ラーメンとはこの枠のことをいいます。

本来のラーメン構造は、S造やRC造において発展してきた剛接合で枠を形成しますが、それを木造で実現したのが木造ラーメン工法です。

剛接合とは、部材の接合形式のことで、骨組みに力が加わって部材が変形したとしても、接合部は変形しないように接合する接合方法のことです。

木造ラーメン工法は、S造やRC造と異なり完全な剛接合ではなく、曲げモーメントが作用する半剛接合を採用しています。接合部には、鋼板やラグスクリューボルトが用いられます。

メリット

木造ラーメン工法の主なメリットは、以下の4つです。

  • 柱が少ない大空間が作れる
  • 木造でも3階建てを建てやすい
  • 間取りの自由度が高い
  • リフォームがしやすい

枠で構造を形成していくため、壁や柱を少なくできます。結果、木造では叶わなかった障害物の少ない大空間を作ったり、3階建てが建築できるんです。

また、構造を支える壁が必要ないため、将来的に間取りの変更もしやすく、リフォーム費用が高額になりにくい点もメリットの一つです。

デメリット

木造ラーメン工法のデメリットは、

  • 接合部に力が集中することで耐震性が弱まること
  • 建築コストが高いこと
  • 取り扱いができる建築会社が少ないこと

が挙げられます。

木材を接合していき枠を作る構造なので、地震などの揺れがあった際は、接合部に力が集中します。最悪の場合、接合部が損傷してしまう可能性があることは否めません。

また、同じ木造の軸組工法・ツーバイフォー工法よりもまだ浸透していないため、取り扱いができる建築会社が少ない現状があります。

結果、建築コストも安くないのが特徴です。

木造軸組パネル工法

木造軸組パネル工法は、次の工法のハイブリッド型といえます。

  • 木造軸組工法
  • ツーバイフォー工法(木造枠組壁工法)

両方の長所を活かした工法で、木造軸組と同様、柱と梁で躯体を組み、その外側に耐力壁となるパネルを張っていきます。

木造軸組工法の長所である設計の自由さ、ツーバイフォー工法の長所である耐震・断熱性の高さをあわせ持つまさにハイブリッドの住宅工法です。

メリット・デメリットをそれぞれ解説していきます。

メリット

木造軸組パネル工法の主なメリットは、

  • 断熱性が高い
  • 耐震性が高い
  • 間取りの自由度が高い

などがあります。

木造軸組工法だと、柱や梁だけで構造を作ってしまうので、どうしても断熱性に欠けます。上からパネルを合わせることで密閉し、断熱性と耐震性を高めることができます。

結果、光熱費が抑えられる点もうれしいポイント。

また、構造は木造軸組工法が基本になっているため、間取りの自由度が損なわれません。木材の組み方次第で、自由な間取りを楽しむことができます。

デメリット

木造軸組パネル工法の主なデメリットは、

  • 工法が規格化されていない
  • 建築会社によって名称がバラバラ

などがあります。

ツーバイフォー工法までは工法が規格化されていないため、建築する会社によって品質が違う恐れがあります。価格もバラバラなので業者選びの際は苦労するかもしれません。

また、木造軸組パネル工法は、他にも様々な建築技術を合わせて販売されることが多く、建築会社によって名称がバラバラだという特徴があります。

そのため、木造軸組パネル工法かどうかを判断しにくいといったデメリットもあります。

鉄骨軸組工法

鉄骨軸組工法とは、柱や梁などの部分に鉄骨を用いて建てる住宅工法で、S造やS構造と呼ばれます。

鋼材の厚みによって軽量鉄骨造と重量鉄骨造に分けられ、厚みが6mm未満の鋼材の場合は軽量鉄骨造、6mm以上の場合は重量鉄骨造です。

鉄骨の筋交いは、X状になっておりブレースと呼ばれることから『ブレース構造』ともいわれることがあります。

ブレースの形状は建築会社で違い、独自の耐震技術を持った商品を採用しているため、同じ鉄骨造でも建築会社によって仕様は異なります。

一般的には、軽量鉄骨が使用されることが多く、住宅だけでなく賃貸アパートなどの建築にもよく使われる工法の一つです。

メリット

鉄骨軸組工法の主なメリットは、

  • 間取りの自由度が高い
  • 品質が安定していること
  • シロアリ被害がない
  • 耐久性が高い

などがあります。

木材は、水分や使用する部位などによって品質差がでてきますが、鉄骨の場合は金属のため品質に差がありません。

また、木材を使用しないため、シロアリ被害に遭う心配もなく安心です。

軸組なので、木造軸組工法と同様、自由な間取りを作りやすいといった利点もあります。さらに、木造よりも耐久性に優れていることが特徴です。

デメリット

鉄骨軸組工法の主なデメリットは、

  • 建築コストが高い
  • 間取りの自由度が木造軸組工法に比べると低い
  • 断熱性が低い

などがあります。

鉄骨造は、頑丈な作りのため加工に手間がかかります。そのため、建築費用が高くなる傾向にあります。

また、間取りに関しては、加工が難しいため在来の木造軸組工法のような自由さはありません。

加えて、熱伝導率が高い鉄を使用するため、断熱性能は低くなります。鉄には錆がつきものなので、防錆加工なども必要になり、これらのデメリットを補うための費用もかかることから建築コストが上がってしまいます。

鉄骨ユニット工法(ラーメン構造)

工場で生産された鉄骨ユニットを形成し、それを現場で組み立てていく工法。

以下のような手順で進められます。

  • 工場でユニットを製作
  • 大型トラックで現場へ輸送
  • 現場でユニットを繋ぎ合わせて固定・組み立て

ドアやキッチンなどの建具・設備の取り付けや、配線・配管の設置といった作業も工場で行い、ほぼ完成形に近い状態で現場へ運びます。

現場での作業は、箱型のユニットを組み立てて固定するだけです。

柱と梁は剛接合され、ラーメン構造になっていることが一般的で、戸建住宅のみならず、集合住宅や中高層のビルでも採用されている工法になります。

メリット

鉄骨ユニット工法(ラーメン構造)のメリットは、

  • 完成度が安定している
  • 工期が短い
  • 耐震性が高い
  • 大空間を作れる

などがあります。

工場である程度組み立てたものを現場で組み上げるので、現場の職人のスキルや経験に依存せず建築ができます。結果、完成度が現場によってブレることがありません。

また、強いラーメン構造が用いられることが多いため、耐震性に優れている点もメリットの一つです。耐震性に優れていながら、壁式ではないため、障害物が少ない広い空間を作ることも可能です。

デメリット

鉄骨ユニット工法(ラーメン構造)のデメリットは、

  • 建てられる土地が限られる
  • リフォームしづらい

などがあります。

ユニット工法すべてに共通しますが、ユニットを運べない立地には建築できない可能性があります。例として、旗竿地や狭い道路に面している土地などが挙げられます。

それに関係して、間取りも自由にとれないことがあるのが難点。

また、リフォーム・リノベーションしようとすると大掛かりになり、コストが高くなってしまうという点もデメリットです。

鉄筋コンクリート造(RC工法)

鉄筋コンクリート造はRC造とも呼ばれ、強化されたコンクリートという意味があります(RC=Reinforced Concrete)。

コンクリートで作る柱や梁などの部分に、鉄筋を通して耐久性を強化します。

木造や鉄骨造に比べて、耐震性や耐火性に優れているため、住宅だけではなく大規模マンションやビルなどでも採用される工法です。

しかし、住宅においては取り扱いができる業者は多くありません。

コンクリートは、施工段階で品質管理や適切な配合といった特別な知識が必要となるため、施工できる建築会社が限られているのが現状です。

メリット

鉄筋コンクリート造(RC工法)の主なメリットは、

  • 耐久性が高い
  • 耐震性が高い
  • 耐火性が高い
  • 遮音性が高い

などが挙げられます。

圧縮に強いコンクリートと、引っ張りに強い鉄筋が合わさることで、強靭な耐久性を生み出します。また、面で外力を受けるモノコック構造のため、地震の揺れは分散されます。

また、コンクリートは熱にも強いため、木造や鉄骨造に比べて高い耐火性を期待できる点もうれしいポイントでしょう。

加えて、遮音性が高いという特徴もあり、木造住宅の約10倍も音を遮断できるといわれています。

デメリット

鉄筋コンクリート造(RC工法)の主なデメリットは、

  • 建築コストが高い
  • 結露やシミ・カビが発生しやすい

などがあります。

頑丈なRC造ですが、一個人が建てようとすると建築費の負担は重くなります。また、気密性が高いため、結露やカビ・シミなどが発生しやすいという欠点もあります。

そのため、設計時に換気システムを入念に検討しておかなければなりません。後からメンテナンス費用がかかり、処理が大変になる可能性もあります。

SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート構造)

SRC造の戸建住宅はないため、注文住宅を建てようと検討されている方には参考にならないかもしれませんが、建築工法の一つとして紹介します。

SRCは、Steel Reinforced Concreteの略で、鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせた工法。

鉄骨の柱の周りに、鉄筋を組みコンクリートを施工します。RC造よりも細い柱や梁で、より強度の高い構造物を建てられます。

タワーマンションや高層ビルなどの大規模な建築物を建てる際に採用されることが多いです。

メリット

鉄筋鉄骨コンクリート構造の主なメリットは、

  • 強度が強い
  • 耐震性が高い
  • 鉄骨造よりも錆にくい
  • 耐火性が高い

などがあります。

鉄筋と鉄骨両方を使って建てるため、もちろん強度は高くなり耐震性が強化されます。

また、コンクリートで鉄骨を囲むので、鉄骨のみの建築物より錆に強くなります。加えて、コンクリートの耐熱性によって耐火性も高まります。

超高層のマンションなどに必要な強度や、しなやかさを満たす工法といえるでしょう。

デメリット

鉄筋鉄骨コンクリート構造の主なデメリットは、

  • 工期が長い
  • 建築コストが高い

になります。

通常の鉄筋コンクリート造よりも工程が増えるため、その分工期が長くなります。結果として、人件費などがかさみ建築費が高くなるといったデメリットがあります。

また、建築コストが高いにもかかわらず、遮音性に関して、鉄筋コンクリート造とさほど変わらないといった点もデメリットの一つになるかもしれません。

近年は建築技術が上がってきていることから、鉄筋コンクリート造でも優れた耐震性を実現できています。そのため、SRC造のメリットが薄れてきている現状があります。

プレハブ工法(軽量鉄骨造)

プレハブ工法とは、工場で作っておいた部材を、現場に運び、現場でクレーンなどを使って組み合わせるタイプの工法のことを指します。

この記事では住宅に多い軽量鉄骨造のプレハブ住宅について解説していきます。

軽量鉄骨造のプレハブ工法は、価格が比較的安く、短期間で素早く建築できることが魅力の工法。

鉄骨造のプレハブ工法には軸組方式やパネル方式などタイプがいくつかありますが、軸組工法が主流となっており、木造軸組工法と同様に筋交いを入れて強度を高めます(ブレース)。

また、工場生産の際には防錆対策が施されているため、鉄骨の弱点を抑えた家づくりができます。

メリット

プレハブ工法(軽量鉄骨造)の主なメリットは、

  • 耐震性が高い
  • 品質が安定している
  • 建築費が比較的安い

などです。

軽量鉄骨造は、重量鉄骨造やRC構造には劣るものの、木造より高い耐震性があります。鉄骨自体が木材にくらべて折れにくいためです。

また、プレハブ工法で建てる軽量鉄骨造の家は、現場での作業が少ないため、建物の完成度が職人のスキルや経験によって左右されにくいといった特徴があります。

下手な職人の腕によって品質の悪いものが完成するといったリスクを回避できます。

デメリット

プレハブ工法(軽量鉄骨造)の主なデメリットは、

  • 耐火性が低い
  • 騒音・音漏れ対策が必要
  • 通気性・断熱性が低い

などがあります。

軽量鉄骨造の一番のデメリットは火に弱いことです。使われている鋼材は熱の影響を受けやすく、火災などがあった場合は、倒壊するリスクが高まります。

しかし、最近では耐火被覆材を使用している軽量鉄骨造の建物も出てきており、耐火性に関しても少しずつ克服してきています。

また、軽量鉄骨造の遮音性は木造よりもやや高いくらいなので、神経質な方にとってはやや不十分かもしれません。

SE工法

SE構法(Safety Engineering 構法)とは、株式会社エヌ・シー・エヌ独自の木造建築システムで、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を、木造住宅に取り入れた安全かつ便利な建築工法です。

つまり、在来の木造軸組工法のデメリットである耐震性の弱さを補った建築工法といえます。

在来工法と同様、間取りの自由度が高いなどのメリットがある反面、デメリットもある建築工法です。それぞれ解説していきます。

メリット

SE工法の主なメリットは、

  • 設計の自由度が高い
  • いろいろな土地の形状に合わせやすい
  • 在来工法よりも耐震性が高い

などがあります。

在来の木造軸組工法と同様、軸組で建物の構造を作るので、間取りは比較的自由に設計ができます。また、その特性を活かして狭小地や旗竿地などの建物の建てにくい土地にも建築ができます。

在来工法との違いは、接合部を専用の金具で固定すること。結果、在来工法の弱点であった耐震性を強化することができます。

デメリット

SE工法の主なデメリットは、

  • 施工できる工務店が限られる
  • コストが割高になりがち
  • シックハウス症候群の恐れ
  • 長期間の耐久度は証明されていない
  • コストダウンが容易にできない

などです。

施工できる工務店は全国に500社超あり『SE工法認定施工店』と呼ばれます。7つの項目を満たす必要があり、建築できる会社がまだまだ少ないといった問題があります。

また、SE工法は一般的な木造住宅に比べてコストが高くなります。さらに、まだ新しい工法なので、実際に半世紀以上建っている建物がありません。耐久性が証明されていないこともデメリットといえます。

以下の記事で詳しくSE工法を解説しているので、合わせてご覧ください。

スーパーウォール工法

スーパーウォール工法を直訳すると、『すごい壁』です。

高性能な『SWパネル』という壁材を、ベースとなる木造軸組工法に張り付けていきます(モノコック構造)。耐震強度は最高レベルとなり、換気・温湿度・遮音などの住宅性能が向上します。

台風や地震などの外力にも耐えられることはもちろん、外からの気になる騒音を低減、ストレスの少ない静かな室内環境を実現します。

また、高気密・高断熱の居住環境は、カビやダニの繁殖の原因になる結露を抑えます。健康にも配慮された家が建てられるでしょう。

メリット

スーパーウォール工法の主なメリットは、

  • 1年中快適に過ごせる
  • ヒートショック対策になる
  • 地震や台風などに強い
  • 施工品質のばらつきが少ない
  • 防音対策できる

などの5つです。

スーパーウォール工法で建てられる家は、夏に涼しく、冬に暖かい家です。なぜなら、断熱性能を持ったSWパネルが家全体を包み、隙間風などを排除し、断熱効果を高めてくれるからです。

また、一般的な軸組構造よりも、台風や地震などによって生じる外力に強いという特徴があります。建物全体で力を受けて分散するため、ひびやひずみなどにも強い構造といえます。

デメリット

スーパーウォール工法の主なデメリットは、

  • 間取りやデザインに制約がある
  • エアコンなどの増設がしづらい
  • コストがかかる

などがあります。

スーパーウォール工法は、壁全体で建物を支えます。耐力壁を切ったり削ったり、穴をあけて窓を設置するなどということはできません。支える力が変わってしまい、構造の耐震性能を下げてしまうからです。

また、壁を構築するSWパネルには断熱材がつまっています。そのため、穴をあけて配管を通すなどの作業が難しくなります。

住んでから「ここにもエアコンを追加したい」「コンセントを付けたい」などと思っても、できない可能性があります。

住宅工法11選一覧表比較

今まで解説してきた住宅工法のメリット・デメリットを一覧で比較してみましょう。

スクロールできます
工法メリットデメリット
木造軸組工法設計の自由度が高い
いろいろな土地の形状に合わせやすい
建築コストが安い
取り扱いできる建築業者が多い
完成度が不安定
工期が長い
耐震性が低い
ツーバイフォー工法耐震性が高い
耐火性が高い
断熱性が高い
完成度が安定している
設計の自由度が低い
取り扱いできる建築業者が少ない
木造ラーメン工法大空間が作れる
木造でも3階建てを建てやすい
設計の自由度が高い
リフォームしやすい
接合部に力が集中することで、耐震性が弱まる
建築コストが高い
取り扱いできる建築会社が少ない
木造軸組パネル工法断熱性が高い
耐震性が高い
設計の自由度が高い
工法が規格化されていない
建築会社によって名称がバラバラ
鉄骨軸組工法設計の自由度が高い
完成度が安定している
シロアリ被害がない
耐震性が高い
建築コストが高い
設計の自由度が、木造軸組工法に比べると低い
断熱性が低い
鉄骨ユニット工法完成度が安定している
工期が短い
耐震性が高い
大空間を作れる
建てられる土地が限られる
リフォームしづらい
鉄筋コンクリート造耐震性が高い
耐火性が高い
遮音性が高い
建築コストが高い
結露やシミ・カビが発生しやすい
鉄筋鉄骨コンクリート構造耐震性が高い
耐火性が高い
鉄骨造よりも錆にくい
工期が長い
建築コストが高い
プレハブ工法(軽量鉄骨造)耐震性が高い
完成度が安定している
建築費コストが安い
耐火性が低い
断熱性が低い
通気性がない
SE工法設計の自由度が高い
いろいろな土地の形状に合わせやすい
在来工法よりも耐震性が高い
取り扱いできる建築会社が少ない
建築コストが高い
シックハウス症候群の恐れがある
長期間の耐久度は証明されていない
コストダウンが容易にできない
スーパーウォール工法1年中快適に過ごせる⇒ヒートショック対策になる
耐震性が高い
完成度が安定している
遮音性が高い
建築コストが高い
設計の自由度が低い
エアコンなどが増設しづらい

住宅工法に関する評判3選

住宅工法に関する評判を3つ紹介します。

  • 【スーパーウォール工法】についての評判
  • 【SE工法】についての評判
  • 【ツーバイフォー工法】についての評判

それぞれ解説していきます。

【スーパーウォール工法】についての評判

https://twitter.com/megu_AXScluster/status/1504330778863230976?s=20&t=EIGsR0UNKytetNJH8FW54A

工法にこだわってスーパーウォール工法にしたところ、「ちょっと位の地震くらいじゃ揺れたことに気づかず、花粉ホコリも大幅カット」といった結果が得られた好例です。

金額に余裕があれば、耐震性などにこだわることも必要かもしれません。

【SE工法】についての評判

構造用集成材を使用しています。

構造用集成材は「科学された木材」と言われ、製造過程の一枚一枚の板の段階で節の大きさや曲げヤング係数を計測・選別して製造しており、性能表示された構造性能が安定しています。構造の安全性を保証するSE構法は部材の信頼性を重視し、全て構造用集成材を使用しています。

引用元:株式会社エヌ・シー・エヌ SE構法『よくある質問』

【ツーバイフォー工法】についての評判

https://twitter.com/clover_happyrin/status/1375101360870281224?s=20&t=EIGsR0UNKytetNJH8FW54A

ツーバイフォー工法のメリット・デメリットを端的にまとめているツイートです。メリットが大きいことから、近年、着実に需要が伸びてきています。今や、木造住宅の約2割がツーバイフォー工法で建てられています。

参考:一般社団法人 日本ツーバイフォー建築協会『ツーバイフォー工法による新たな需要開発』

【要注意】住宅を建てる際は工法だけで選ぶのはやめよう

11種類の住宅工法のメリット・デメリットをそれぞれ解説してきましたが、ここで一つ注意点を記載しておきます。

それは、住宅を建てる際は工法だけで選んではいけないということです。

なぜなら、近年どの建築会社も各工法のデメリットを補うために工夫しており、決して従来の考えだけで「○○○○のデメリットは耐久性が低いから、…」などとはいえなくなっているからです。

どの建築会社も企業努力を重ね、得意とする建築工法のデメリットを補うような方法を確立しています。

工法だけにこだわるのをやめ、各会社の話す内容を吟味し、自分たちに合った選択をしていく必要があるでしょう。

まとめ

今回は、11種類の住宅工法のメリット・デメリットをそれぞれ解説しました。

内容を整理し、各建築会社の話を聞くようにすればより理解が深まります。注文住宅を建てようと検討されている方は、ぜひ本記事を参考にしてください!

皆様の理想の住まいが見つかることを切に願っております。

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