玄関は室外の影響を受けやすいため、家づくりにおいて非常に重要な部分です。高気密高断熱のドアにすることで、室外の影響を受けにくく、室内の温度差を小さく保てるようになります。
しかし、高気密高断熱の玄関ドアといっても種類は多く、価格も幅広いため、どれを選ぶと良いのか分からないという方も多いでしょう。
そこで、本記事では高気密高断熱の玄関ドアについて価格や知っておきたいポイント、性能などを詳しく解説していきます。玄関ドアの交換を検討している方は参考にしてみてください。
また、以下の記事では当メディアが厳選する高性能にこだわる住宅会社を紹介しておりますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
高気密高断熱の玄関ドアを選ぶ際に知っておきたい3つのこと
高気密高断熱の玄関ドアを選ぶ前に、知っておきたいことが以下3つあります。
下記で詳しく解説していくので、玄関ドアの交換を検討している方はチェックしておきましょう。
①断熱性能のグレードについて
玄関ドアのカタログには、『K2仕様』や『D2仕様』などのワードが記載されています。これらは玄関ドアの断熱性能を表示しています。
南北に長く、北海道から沖縄まで大きく気候が異なる日本では、全国を大きく8つの区域に分けて最低基準が設定されています。これにより、気候に合わせたより良い住環境の実現が可能です。
基本的にどのメーカーでも、アルファベットの後の数字が小さいほど断熱性能が高く、寒冷地域向きです。断熱性能が優れているとエアコン効率が良くなるため、暑い地域でも活用できます。
ただ、性能が優れている程、価格も高くなります。そのため、地域や要望に合ったグレードのものを選びましょう。一般的に、K2やD2仕様を選ぶと性能面において安心です。
②開閉仕様について
玄関ドアは大きく分けて、片開きドア、親子扉、引戸の3種類あります。この3種類の中では、費用もそこまで高くなく、デザインの選択肢も多い、断熱性能が優れている片開きドアがおすすめです。
親子扉は、メインの扉の横に小さい扉が付いているタイプの玄関ドアです。開口部が広いのは便利ですが、室内外の温度の差を受けやすいため、結露が発生しやすかったり、エアコン効率が悪くなる恐れがあります。
引戸は、車いすなど特別な事情がある際は必要です。しかし、費用が高い上に断熱や気密性能も劣ってしまうため、特別な事情がない限り、片開きドアの採用をおすすめします。
③HEAT20とは
HEAT20は『2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会』のことです。住宅の高性能(高断熱)化と、居住者の健康維持、快適性向上のための普及啓蒙を目的としています。
屋根や外壁、床、窓などの断熱・遮熱などの性能評価基準が設定されており、『G1・G2・G3』のグレードがあります。数字が大きい方が高性能、G3は最高等級です。これらを踏まえたうえで、玄関ドア本体の価格を見ていきましょう。
高性能な玄関ドアの価格
一般的に、玄関ドアにかかる費用は20~50万円です。玄関ドアの種類や機能、サイズなどによって価格が変わるため、目安として把握しておきましょう。以下では、高性能な玄関ドアの価格を性能別に紹介していきます。
優先する性能を考える参考や、性能別の価格帯を知る参考にしてみてください。
断熱性能付き玄関ドア
断熱性能が付いている玄関ドアの多くは、ドアの内部に断熱材が含まれています。断熱性能に優れていると、ドアの冷え込みによる玄関の室温の低下を防ぐことが可能です。
通風機能が付いていれば、ドアを閉めたまま風も取り込めます。断熱性能が付いている玄関ドアは30万円が相場です。
高断熱玄関ドア
高断熱玄関ドアは、上記で紹介した断熱性能付き玄関ドアよりも、さらに優れた断熱性能が搭載されています。ドアの内部に断熱材が含まれているだけでなく、枠部分が断熱になっていたり、高断熱な複層ガラスが採用されているのが特徴です。
ドア全体が完全に断熱仕様になっているため、北海道や東北地方などの寒さが厳しい地域にも対応しています。高断熱玄関ドアの場合、全体が断熱仕様になっているおり、価格は40万円~60万円が相場です。中には60万円を超える商品もあります。
防火地区用の玄関ドア
駅や幹線道路の周辺など、防火地域や準防火地域に住んでいる場合、防火ドアへの交換が必要です。そのため、玄関ドアの中には、防火戸の認定を受けた商品もあります。
防火地区用の玄関ドアは、断熱性能や通風機能が付いている物に比べて20万円前後高くなり、50~70万円が相場です。
高気密高断熱の玄関ドアによって得られる4つの効果
高気密高断熱の玄関ドアによって得られる効果を以下4つ紹介します。
下記で詳しく解説していくので、必要な性能や、性能の優先順位を考える参考にしてみてください。
①断熱効果
玄関ドアの断熱性能は見た目では分からず、グレードによって分かれています。断熱性能の違いのポイントは、断熱材、ドアの枠、採光のためのガラスの3つです。
経済産業省の資源エネルギー庁によると、冬の暖房時、家の暖かい空気の58%が開口部から室外に逃げ、夏の冷暖房時は73%の割合で、外の暑い空気が開口部から入ってくることが分かっています。
つまり、室内の温度を保つためには、開口部の断熱性がポイントです。玄関ドアを断熱性の高いものにすると、室内の温度差を小さくできます。
室内の温度差が小さくなると、暮らしの快適性が向上するだけでなく、ヒートショック予防にもつながります。玄関の近くにお風呂やトイレがある場合、より効果を感じられるでしょう。
②省エネ効果
断熱ドアにすると、室内外の空気の出入りを減らし、室内の温度差を小さく保つことが可能です。冷暖房効率も上がるため、省エネにつながります。
また、室内の温度を快適に保てると余分な冷暖房器具が不要になります。このように、断熱ドアにすると、省エネ効果が得られるため、ランニングコストを抑えられるのがメリットです。
③防犯性の向上
自宅のセキュリティを強化する場合、玄関ドアに防犯機能を加えるのが必須です。泥棒や空き巣は不正解錠によって玄関から忍び込むケースが多いため、防犯対策として簡単に不正解錠できないロック機能が必要です。
玄関ドアには二重ロックやディンプルキー、着脱式サムターンなどたくさんのセキュリティ対策があります。これらを有効活用し、被害を未然に防げます。
④採風や採光、スマートキーなどの便利な機能が付けられる
玄関ドアは、予算に応じて便利な機能も付けたいと考える人が多いです。以下3つの機能が人気で、取り入れる人が増えています。
- スマートキー
- 通風・採風
- 採光
スマートキーはボタンやリモート操作で玄関ドアを施錠・解錠できるシステムです。ボタン1つで簡単に施錠・解錠できるためとても便利です。
通風・採風は、玄関を換気しやすくする機能です。玄関は、脱いだ靴などから臭いが発生しやすい場所です。換気のためにドアを開けると防犯面が心配ですが、通風・採風機能を付けると、換気問題を解決できます。
採光とは、玄関ドアにガラス面を設け、太陽光を玄関内に取り入れる機能です。採光を考えないと薄暗くなってしまいますが、採光窓の大きさを選ぶことで玄関に入る光の量も調節できます。
明るくなると照明が不要になり、電気代の節約にもつながります。
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まとめ
本記事では、高気密高断熱の玄関ドアについて価格や知っておきたいポイント、効果などを解説しました。玄関は室外の影響を受けやすいため、高気密高断熱の玄関ドアにすることでランニングコストを節約できます。
良いグレードを採用したいけれど、そこまで予算をかけられないという方は、補助金制度を利用するのも1つの方法です。
最後には、高気密高断熱住宅を数多く手掛けている施工会社を紹介しました。どの会社にしようか迷っている方は、相談してみてください。