家づくりに取り組む際に「断熱等級」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。断熱等級を高めると、室外の温度に影響されず、室内の温度を一定に保てる家にすることができます。
しかし、断熱等級にはレベルがあり、地域によってレベルが定められていたり、義務化されているレベルもあるため事前に詳しく知っておくことが重要です。
そこで、本記事では断熱等級とは何か、特徴やメリット、デメリット、推奨されている基準などについて詳しく解説していきます。断熱性能と関係のある認定制度も紹介しているので、断熱性能の高い住宅を検討している方は参考にしてみてください。
また、以下の記事では当メディアが厳選する高性能にこだわる住宅会社を紹介しておりますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
断熱等級とは
断熱等級(断熱性能等級)とは、国土交通省により2000年に施工された品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)で定められた住宅の断熱性能を示すものです。断熱等級の数値が大きいほど熱の出入りが少なく、断熱性能が高いことを表します。
断熱等級には1~7の7段階が制定されており、等級を満たすにはそれぞれの基準を満たすように断熱材や開口部などの建材を選ぶことが必要です。断熱等級は住宅メーカーや施工会社ごとに対応する等級は異なるため、新築住宅やリフォームする際の参考にすると良いでしょう。
UA値・ηAC値・Q値とは
断熱等級では、日本を1∼8地域に区分し、各地域に満たすべきUA値とηAC値、Q値の基準が定められています。各数値の内容は以下の通りです。
基準 | 内容 |
---|---|
UA値(外皮平均熱貫流率) | 室内外の熱の通りやすさを示す |
ηAC値 | 冷房期にどれくらいの日射熱が住宅内に入るかを示す |
Q値 | 熱損失係数のこと。住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを表す |
上記の数値が建物の断熱性能を判断する目安です。いずれも数値が小さいほど、断熱性能が高くなります。また、家を建てる予定の地域がどの区分に属しているのかは、国土交通省の『地域区分新旧表』でチェックできます。
省エネ等級との違い
断熱等級と似た指標の中に、省エネ等級があります。省エネ等級とは、断熱性能だけでなく、1次エネルギー消費量等級も合わせて評価するものです。1次エネルギー消費量等級とは、住宅が1年間に消費するエネルギー量を表します。
断熱等級一覧
断熱等級は、気候変動問題の解決に向けて世界規模で取り組んでいる『2050年カーボンニュートラル』という目標を実現するための取り組みの1つです。住宅の断熱性能を向上させることで炭素量の排出量を減らし、将来的な脱炭素化が目指されています。
2024年現在、断熱等級は以下のように7段階に分けられています。
断熱等級 | 省エネ基準 | 求められる基準 |
---|---|---|
等級1 | なし | |
等級2 | 旧省エネルギー基準 | 省エネレベルは低い |
等級3 | 新省エネルギー基準 | 壁や天井に対する一定レベルの断熱性能 |
等級4 | 次世代省エネルギー基準 | 壁や天井、窓、玄関ドアなどに対する断熱性能 |
等級5 | ZEH基準の水準 | UA値:0.40以下 |
等級6 | 省エネ基準比エネルギー消費量▲30% | HEAT20のG2グレード相当UA値:0.28以下 |
等級7 | 省エネ基準比エネルギー消費量▲40% | HEAT20のG3グレード相当UA値:0.20以下 |
数値が大きいほど新しく制定された基準による等級であり、断熱性能も高くなります。等級5以上の住宅に対応した施工会社を選ぶのがおすすめです。
ZEH水準とは
ZEHとは『net Zero Energy House』のことで、外皮の断熱性能と1次エネルギー消費量の基準を定めたものです。つまり、収支をゼロにすることを目指した住宅を指します。
住宅の外皮とは、屋根や天井、壁、床、窓、ドアなど住宅内外の境界となる部分のことです。外皮性能とは、住宅の外皮の断熱性能や日射遮蔽性能等を表します。外皮性能が高いほど、室内外の熱の出入りが少ないです。
具体的には、住宅の断熱性能の向上と効率的な設備システムの導入によって大幅な省エネルギーを実現し、再生可能なエネルギーなどの導入を行います。
HEAT20とは
HEAT20は、2009年に発足した『一般社団法人20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会』の略称です。建築物の省エネルギーと室温の2つを指標とした外皮性能水準を指します。
HEAT20は、豊かな暮らしを実現するために、理想的な室内の温熱環境を目指して取り入れられています。ZEH水準よりも厳しい、G1、G2、G3の3段階の住宅外皮水準が制定されています。
断熱等級を向上させるメリット
断熱等級を向上させるメリットには以下のようなものがあります。
- 快適な室温を保てる
- ヒートショックや熱中症などのリスクを低減する
- 健康的な暮らしが送れる
- ランニングコストを抑えられる
- 補助金などの制度が受けられる
断熱等級が高いほど、室内外の熱の出入りが少ないです。そのため、室内全体の温度変化が小さくなり、年中快適な室温で過ごせます。これは、光熱費の節約にも有効です。
また、室内、室内外に急激な温度変化があると血圧が大きく上下し、心筋梗塞や脳卒中などが起こるヒートショックのリスクが高まります。しかし、断熱性能を高めることで室内の温度変化が小さくなるため、ヒートショックや熱中症などのリスクが低減可能です。
そして、国が住宅の省エネに力を入れていることから、断熱等級5以上かつZEH水準や長期重量住宅に認定されている場合は、さまざまな優遇制度が用意されています。補助金制度も多数あるため、費用負担を抑えられます。
断熱等級を向上させるデメリット
断熱性能を向上させると、上記のようなメリットがありますが、以下のようなデメリットもあります。デメリットも把握し、断熱等級を向上させるか検討してみてください。
- 建設費用が高くなる
- 内部結露のリスクがある
- 空気がこもりやすい
断熱性能が高いと、室内外の空気が出入りしにくく、換気機能が整っていないと空気がこもってしまいます。すると、人によってはアレルギーや喘息などの症状が出てしまうため注意が必要です。
現在は、住宅に換気システムの設置が義務付けられており、換気口の定期的な掃除やメンテナンスを行い、正しく使用していれば問題ありません。
断熱性能を向上させるには、高い精度での設計や施工が必要です。また、断熱等級を向上させるほど、必要な断熱材の種類や厚さなども変わるため、材料費も高くなります。
ただ、断熱性能の高い住宅は光熱費を節約できたり、補助金や優遇制度を受けられる場合もあります。初期費用だけを見ず、ランニングコストも踏まえたうえで検討しましょう。
国で推奨されている断熱等級
2025年以降、全新築住宅においては、断熱性能等級4以上が義務化されています。また、2030年にはZEH水準の省エネ性能、断熱等級5が義務化されることが決定しています。今後、断熱等級6が義務化されるでしょう。
そのため、今から断熱性能を向上させる場合は、最低でも断熱性能等級を4、できれば5以上を目指すのが無難です。
家族の健康維持や生活の快適性に加え、地球温暖化に伴う猛暑日の増加、将来的な建物の資産価値も考えると等級6以上であるHEAT20のG2レベルを目指すと安心でしょう。
断熱性能等級と認定住宅制度の関係
住宅には長期優良住宅やZEH、低炭素住宅などの認定住宅制度があります。これらの制度には断熱等級などの基準が定められており、満たさなければこれらの認定を受けられません。
- 断熱性能等級と長期優良住宅認定
- 断熱性能等級とZEH
- 断熱性能等級と低炭素住宅
上記の認定を受けることで、補助金や住宅ローン控除などが利用できるのがメリットです。住宅性能を検討する場合は、どの認定制度が受けられるか把握しておきましょう。
断熱性能等級と長期優良住宅認定
長期優良住宅認定制度は、住宅の品質向上と長期的な利用を促すために設けられた制度です。断熱性能はとても重要な要素に含まれています。
2022年10月の法改正により、認定を受けるためには、断熱性能の等級5以上が必要です。これは、住宅のエネルギー効率を高め、快適な居住環境を実現できるレベルです。
認定されると、住宅ローン向上の借入限度額の増額や固定資産税の減税期間の延長などメリットがたくさんあります。
断熱性能等級とZEH
ZEHとは、高断熱高気密化や高効率設備により、年間の1次エネルギー消費量の収支0を目指した住宅です。高断熱化と再生可能エネルギーの活用により、快適な住環境を保ちつつ、エネルギー消費量を大幅に削減できます。
ZEHの認定を受けるには、断熱性能等級5以上が必須です。経済産業省および環境省による戸建てZEH補助事業では、ZEHの建設に対して、補助金が支給されています。そのため、初期費用の負担を抑えつつ、長期的なランニングコストの削減が実現できます。
断熱性能等級と低炭素住宅
低炭素住宅とは、二酸化炭素の排出抑制に寄与する住宅です。所管行政庁が認定を行っており、省エネ基準と比べて1次エネルギー消費量が20%以上削減されていることが認定基準です。
断熱性能等級4以上であれば、低炭素住宅の断熱性能基準をクリアしています。認定されると、税制優遇や補助金などが受けられたり、環境負荷の低減や光熱費の削減など、長期的なメリットがあります。
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項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 大創建設株式会社 |
住所 | 東京都三鷹市上達雀7丁目32番32号 |
対応エリア | 三鷹市・武蔵野市・調布市・小金井市・府中市・西東京市・杉並区・練馬区・世田谷区 |
公式サイト | https://www.daiso1966.jp/ |
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まとめ
本記事では、住宅の断熱性能等級について特徴やメリット、デメリット、推奨されている基準などを解説しました。断熱性能を高めるには費用がかかりますが、長期的に光熱費を節約できます。
また、断熱性能を高めると、住宅認定制度の認定も受けられます。認定を受けると経済的メリットがあります。利用できる制度を事前に調べておくか、施工会社に聞いてみると良いでしょう。
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