高気密高断熱住宅は、室外の影響を受けにくく、室内の温度を一定に保てる住宅です。部屋で暖まった空気や、冷やされた空気が逃げないようにしてくれるため、省エネ効果も得られます。
しかし、「気密性が高いと湿気が逃げず、湿度が高くなるのでは?」と疑問に思っている方もいるでしょう。
実際、高気密高断熱住宅は温度を保つことに優れていますが、湿度を調整するのは難しいです。そのため、湿度調整できるアイテムを取り入れる必要があります。
そこで本記事では、高気密高断熱住宅で湿度が下がらない理由やその対策、効果的な湿度対策などについて解説していきます。高気密高断熱住宅を検討しているけれど、湿度が心配な方は参考にしてみてください。
また、以下の記事では当メディアが厳選する高性能にこだわる住宅会社を紹介しておりますので、気になる方はぜひ参考にしてみてください。
高気密高断熱住宅で湿度が下がらない理由と対策
高気密高断熱住宅は気密性が高いため、すき間風が少ないことが特徴です。計画換気に問題があると、湿気をスムーズに排出できません。これが、湿度が下がらない原因です。湿気の排出におすすめの対策としては以下3つです。
- 風の出入口を確保する
- 適切な位置に換気扇と給気口を設置する
- 納戸など換気経路外の湿気対策も行う
湿度が高い状態が続くと、カビやダニの発生や住宅の劣化などの問題につながるため、対策を行いましょう。
高気密高断熱住宅が暑い・熱がこもる理由と対策
高気密高断熱住宅が「暑い」「熱がこもる」といわれる理由は以下2つあります。
下記で詳しく解説していきます。あわせて、対策方法も紹介するので、参考にしてみてください。
一度高くなると、室温が下がりにくい
高気密高断熱住宅は、室内の温度を一定に保つ効果があるため、一度温度が高くなるとなかなか室温が下がりません。断熱性が高く、外気熱の影響を受けにくい、すき間風が少ないなどの特徴があります。
これは、室温が高くなると何か対策をしなければ、室温が下がらないと言い換えられます。高気密高断熱住宅で室温を下げるためには、以下の対策が有効です。
- 外の温度が高い時間帯に窓を開けない
- 直射日光が入らないよう、カーテンなどで日射を防ぐ
上記のような対策を行うことで、室温が下がりにくい問題を解消できるでしょう。
上に熱気が溜まっている
高気密高断熱住宅では、高い位置に熱気が溜まったままになっていることが暑さの原因の1つです。暖かい空気は室内で上昇する性質があります。
気密性が低いと建物の隙間から排出されますが、気密性が高いと排出されにくいです。熱気を排出するには、以下の対策が有効です。
- 気温の高い時間帯は窓を閉め、熱気を取り込まない
- 熱気を排出できるよう、計画換気を行う
上記の対策を行うことでスムーズに排出でき、快適な住空間を作れるでしょう。
高気密高断熱住宅に効果的な4つの湿度対策
高気密高断熱住宅の湿度を調整するのに効果的な対策を以下4つ紹介します。
下記で詳しく解説していくので、湿度対策を行う際の参考にしてみてください。
①南北方向に風が抜けるように設計する
南北に窓を設け、自然に風が通り抜ける仕組みを作るなどの対策をすると、湿気や暑さを風の力で解決できます。
また、換気システムを取り付ける際に、部屋の中に風の動きが生まれるような場所に設置したり、高低差を利用して重力換気を行うのも効果的です。
②吹き付けタイプの断熱材や漆喰、珪藻土を採用する
壁に仕込む場合、吹き付けタイプの断熱材を採用すると、気密性が高まります。なぜなら、吹き付けタイプの断熱材は隙間がなくなり、ズレないからです。
また、壁の仕上げに調湿効果が高い木材や仕上げ材、漆喰、珪藻土などを活用すると、空気中の水蒸気を吸い込んでくれ、湿度を下げられます。
ただ、調湿性が高いアイテムも水蒸気を吸い込める量に限界があり、限界を超えると結露してしまうため注意が必要です。
③断熱性・遮熱性に優れている窓を採用する
住宅の中でも、外気の影響を受けやすいのは窓です。そのため、窓を断熱性・遮熱性の高いものを採用することで、湿気や熱がこもるのを防げます。
断熱窓は、フレームの樹脂化とガラスの複層化がポイントです。さらに、湿気や熱がこもるのを防ぐだけでなく、日射を抑えたい場合は、遮熱性能の高いアイテムを選ぶことで室内への流入を防げます。
断熱窓には以下のようなメリットがあります。
- 結露が発生しにくい
- 冷気を抑えられる
- 耐久性が高い
断熱性・遮熱性に優れたアイテムをバランス良く配置するのがポイントです。
④計画換気を行う
換気は、1番基本的な湿度対策です。窓を開けたり、換気扇を活用するなど室内外の空気を入れ替えることで、湿気を排出できます。
しかし、換気は室温が変化してしまうため注意が必要です。室内外の温度差が大きいのに換気をしてしまうと、冷暖房効率が悪くなります。
24時間換気は、給気と排気のどちらも機械で行うため、室内に入ってくる空気の温度も調整可能です。費用は高まりますが、建物内の温度管理と換気をすべて自動で行う、全館空調を取り入れるのも良いでしょう。
換気を行う際は室温の変化に目を向け、適切な換気方法を選ぶことが大切です。
高気密高断熱住宅での快適な過ごし方
高気密高断熱住宅で快適に過ごすために、日常で工夫できることを以下2つ紹介します。
下記で詳しく解説していくので、湿度を下げる際の参考にしてみてください。
①エアコンや除湿器を適切に利用する
高気密高断熱住宅に、給気と排気を精密に調整できる第1種換気システムを備えても、室内の湿気の発生は防げません。なぜなら、生活の中で発生する湿気はもちろん、玄関ドアや窓の開閉により外部の湿気が室内に侵入するからです。
このような湿気は、除湿器やエアコンを適切に活用することで、湿気を下げながらサラッと快適な住空間を保てます。
高気密高断熱住宅は、エアコンや除湿器の効率が良いため、少ない稼働率・電力で快適な住空間を実現できます。エアコンや除湿器などを適切に活用し、過ごしやすい気温・湿度を保ちましょう。
②湿度が高い日は換気しない
湿度が高いことは、より暑さを感じてしまう原因です。湿度が高い空間では適切に汗をかけず、体内に熱がこもり、熱中症になる危険性もあります。
湿度が高い日に換気してしまうと大量の湿気が室内に流入し、エアコンや除湿器を活用してもなかなか湿度を下げられません。そのため、湿度が高い日は窓を閉めて、エアコンの除湿機能や除湿器を活用して快適な住環境を作りましょう。
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まとめ
本記事では高気密高断熱住宅の湿気について、下がりにくい原因やその対策方法、湿度対策などについて解説しました。湿度は生活していたら発生するもの、室外から入ってくるものなど、必然的に発生します。
そのため、どれだけ対策しておくかが大切です。また、上記では日常でできる湿度対策も紹介しています。暮らしやすい生活環境を作る際の参考にしてみてください。
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